『あと1センチの恋』レビュー

 『あと1センチの恋』(原題Love Rosie)は幼馴染2人が何かしらの理由によって恋愛から遠ざかれていく物語の映画。この恋愛物語は女性ーあるいは主人公ーの視点で描かれていく。そのため、女性向けの恋愛映画であることが伺える。この映画で展開されていく、男女の恋愛ーあるいは関係ーはとにかくドロドロしている。よくありがちな展開としては男女のいずれかが空きあらば浮気をして男女の関係が崩れていく。そのような世間や環境に置かれている二人はまるで世間に踊らされながら生きていく。その結果、二人は騙し騙され続けてお互いが結びつく機会を失っていくのである。
 自分に一番合っているものを探し求めることがこの映画の筋。例えば自分が好きなものは何?もっと具体的に言えば私にいちばん合っている人は誰?そんな疑問の答えを提示してくれそうな映画になっている。しかしながら、映画ではいくつもの答えを出してはそれを否定することを繰り返す。この映画は答えが私達の中にあって外にはないことを示しているのかもしれない。つまり、この映画を見たって、何も恋愛の参考にはならないということである。ロージーという仮定の運命の人をこの映画は作っているけれども、それが一番だとは決して言いきってはいない。
 ロマンチックな映画なのだから原題を忠実に訳してもよかったはずである。原題の方がわかりやすくていいタイトルである。あと1センチの恋って何という疑問が湧いてくるかもしれない。原題のLove Rosieは、直訳すると愛するロージーへというタイトルになる。直球だ。でも実際に愛する○○なんて表現を使うことは一般的ではない。ちょっと書簡的な表現だ。さらに、ロマンチックすぎる。それにもかかわらず、『あと1センチの恋』よりはもっと安易なタイトルでもよかったはずである。
 

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